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モデル駆動組込み標準
 
第5期 第3回 MDAテクノロジー・フォーラム(MTF) : 終了報告

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第X期 第3回 MDAテクノロジー・フォーラム(MTF)  終了報告
「組込みMDAの最新動向」

第X期第3回のMTFは、「組込みMDAの最新動向」をテーマに、10月18日、東京・神宮の日本青年館で開催されました。モデリングや分散技術導入における先進的ユーザー企業のリーダーを中心に計48名が参加し、講演者との質疑も活発に行われ、非常に充実した1日となりました。
今回の内容は、組込みソフトウェアにおけるOMGのモデル駆動イニシアティブを概観し、次いでMDAのベースとなるIDE環境のEclipse、製品ライフサイクル管理のためのシステム記述言語SysMLという新技術紹介、そしてモデリングの担い手であるモデラーの教育、組込みMDAの段階的導入法といった実践的テーマを組合せたプログラムで構成されています。




基調講演:「組込みシステムのためのMDA」
リチャード・マーク・ソーリー/OMG会長
 MDAで伝えられる事例は、ほとんどがエンタープライズ・システムに関するものですが、「リアルタイム/組込みシステムは、むしろモデルとして表現しやすい」とソーリー会長は指摘します。メモリや速度の制約が既知であり、インフラストラクチャも十分に把握されている組込みシステムにおけるモデル駆動は、むしろやりやすく、大きな成果を期待できるものだというのです。パフォーマンスとメモリを浪費するどころか、モデルベース、モデル統合型のリアルタイム/組込みシステムは一般的に高性能であり、その点は事例によって実証されている、としてユーロ-インターロッキング( 欧州鉄道線路連結)プロジェクト、F-16戦闘機の2つの事例をあげて、組込みシステムにおけるアプローチを紹介しました。一般民生市場でも、携帯電話におけるモデリング利用は、近年活発になっているようです。

* ユーロ-インターロッキング・プロジェクトについての参考情報:
http://www.ctc-g.co.jp/~EDA/ilogix/contents/04c02_interlocking.html


特別講演:「組込みMDAとEclipseのキー・テクニック」
スティーブン・メラー/コンサルタント
 組込みMDAの導入を成功させる上でのキーテクノロジーを明らかにし、MDAとその環境であるEclipseに関する具体的な問題に答える、というのがメラーさんのテーマですが、開発者にとってEclipseは「導入する必要はなく、ただツールを使うだけ」であり、多少のEclipse専門用語、インタフェースを勉強する必要があるが、それはあらゆるツールを使うのと同じである、と述べて組込み開発者がEclipseツールをすぐにでも使うべきであると指摘します。その上で、MDAの根幹をなすUML、MOF、QVTの3つの技術にどのように対応したらよいかをアドバイス、「Eclipseは統合開発環境を構成し、MDAは統合プロセスを作る。EclipseとMDAを一緒に使えば、統合されたツール連携が実現する」と結論づけています。


「モデルの評価とモデリング教育 ─使えるモデルと捨てるモデル」
山田大介/株式会社リコー ソフトウエア研究開発本部・ソフトウエア工学研究センター
 モデリング教育をどのようにすれば最も効果・効率がよいか、というテーマはMTFのシリーズの中で何回か取り上げてきましたが、山田さんはリコーにおける(大半が組込みソフトウェアに関する)興味深い実践事例を紹介してくれました。まず、「設計する(考える)ことの欠如」がバブル時代を経て体質化してしまったところに日本特有の問題があるとして問題を提起するとともに、モデリングに関しては成功事例からよりむしろ、失敗事例から学ぶ重要性を述べて、湯沸しポットの事例をもとに、失敗のパターンと原因を具体的に解説します。本題のモデリング教育論では、伸びる人と伸びない人、使えるモデルと捨てるモデルの見分け方を語り、人材育成については「適切な経験と育成計画が大切で、経営課題としての取組みが求められる」と述べました。


「組込みシステムのためのSysML―自動車用雨滴検知式ワイパーの事例」
ローラン・バルメッリ IBMワトソン研究所/日本アイ・ビー・エム 東京基礎研究所
 製品ライフサイクル管理のために、システム工学(要求工学)が必要とするシステムモデルを記述できるUMLプロファイルとして最近、OMGで採択されたSysMLは、欧米を中心に採用が広がり、日本でも製造業で注目されています。4人目の講演者は、SysMLの標準化に大きな役割を果たしたローラン・バルメッリさんは、組込みシステム開発のためのSysMLの意義と、内容および活用法を、自動車の雨滴検知式ワイパーを事例に、分かりやすく解説しています。製品リコールを引き起こすような複雑な失敗モデルを回避するために、サブシステムのレベルで製品を理解・把握する重要性が実感できました。ビジネスモデリングにおけるBPMNのように、組込みシステムの要求管理においてSysMLは画期的な意義を持つことになると思われます。


「組込みMDAの段階的導入法 ─既存システムのモデル駆動型追加開発」
倉岡 幹雄/テレロジック社 システムズ&ソフトウェアモデリング ビジネスユニット
 最後の講演者は、MDAの現実的な導入法として、既存システムに対する適用を取り上げ、システムの構造、振る舞いのモデル化と、MDAでのモデル開発、それらの間の追跡性の維持、互換性の確認テストなどの効率的な方法を明らかにしています。モデル駆動はモデルに始まるパラダイムですが、実際の開発では、既存の実装に機能を追加したり、システムの一部を再設計することが多いわけで、こうしたアプローチは、MDAに対するステップ・バイ・ステップ式のアプローチとして、非常に有効なものであると思われます。様々なプロジェクトの具体的事例やモデルが紹介されれば、MDAの敷居はかなり低くなっていくでしょう。


OMGの組込み技術標準では、組込みミドルウェアのCORBA/eがあり、またソフトウェア無線など「組込み」の枠を超えた重要技術もあります。エンタープライズ技術において、PIMからミドルウェアへの変換がキーになっているのと同様に、組込みでもモデルからミドルウェア実装への変換は重要です。テスティングや高品質ソフトウェアに関する取組みなどは、とく組込みとの関係で検討される必要があるでしょう。これらは近い将来のMTFにおいて取り上げてみたいと思います。


◆MDAテクノロジー・フォーラムとは ---------------
 MDAテクノロジー・フォーラムは、現場でリーダー的な役割を果たしている、あるいは目指している、ハイエンドの開発技術者を主なターゲットにしたユニークなセミナーです。2002年6月にシリーズ第1回目がスタートして以来、回を重ねるごとに、多くの先進的なエンジニアの方々の知識修得、経験交流の場として内容を充実させてまいりました。毎回異なったテーマを設け、方法論、標準、実装ツール、事例など多方面からMDAにアプローチしていくものです。年4回を単位として開催されています。
※過去のMDAテクノロジーフォーラムはこちら

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 スポンサーは随時募集しております。製品・サービスのプレゼンテーションといった特典のほか、フォーラムの企画/立案にもご参加いただけます。お気軽にご相談ください。
(担当:平野 email: event@otij.org Tel:03-5772-3970)