UML Forum/Tokyo 2003終了報告
第3回となったUML Forum/Tokyo 2003は、盛況のうちに終了し、UML 2.0による新しいスタートの年に相応しい内容で、UML/MDAの技術の展開の方向を示しました。UML技術のリーダーの一人で、プログラム編成のアドバイザーであるクリス・コブリン氏(テレロジック社)も認めるように、「UML Forum/Tokyoは、質量ともにこの技術に関する世界最大のイベント」となっていますが、今年も欧米6ヵ国から講演者を招請し、UMLの世界的広がりと深さを示す内容となり、参加者の方々からもご高評をいただいております。
<来場者数>
UML Forum 2003の来場者数は下記のとおりです。
16日(水曜日) : 1082名
17日(木曜日) : 938名
合計 : 2020名
<全体の方向>
初日の基調講演に立ったOMG会長のリチャード・ソーリー博士は、U2の意義を確認しつつ、次世代のUMLの挑戦とOMGの取組みを語り、オージス総研の藤井 拓博士は、アジャイルなソフトウェア開発手法への対応として、UMLの今日的課題と方向について提起しました。
2日目の基調講演は、エクリプス・コンソーシアムのカイーウヴェ・メツェル氏が、IDEとUML技術がMDAを実現していくステップを語り、また坂村 健・東大教授が、T-Engineでユビキタスネットワーキングを推進する立場から、UMLとOMG技術への期待と注文を述べられました。いずれも、新時代を迎えるUMLの様々な側面と課題を明らかにした、興味深い内容でした。
<今回のイベントの特徴>
ITに関するカンファレンスの価値は、そこで発表される技術や製品、活動によって大きく左右されます。今回の意義を次のようにまとめてみました。
- UML 2.0採択後の最初のイベント
UML Forum/Tokyoは、2.0仕様(の半分)が採択されてから最初のUMLイベントとなりました。セミナーでは、この仕様の立役者であるクリス・コブリン氏、組込/リアルタイムの第一人者であるブラン・セリック氏(ラショナル/IBM)を中心に、充実した解説が行われ、また活発な質疑が交わされました。またMDA技術の中心人物の一人で、最近著書を出したデーヴィッド・フランケル氏は、MDAを実践していく上での方法について、経験をもとに貴重な提起を行いました。
- 第2回ロボットコンテストの成功(ロボコンの進化)
昨年スタートしたUMLロボットコンテストは、本来の目的である「モデルの進化」に添って大きな前進を遂げました。参加チームのパフォーマンスだけではなく、そのモデルの質が、格段の進歩を物語っています。来日した海外講演者も、これには大きな衝撃を受けたようで、来年の「参戦」の意思表示をしていた人もいました。
http://with.esm.co.jp/2003/uml-robocon2003/cons/top.htm
http://with.esm.co.jp/2003/uml-robocon2003/cons/examin/examin.htm
- OMG認定UML技術者資格試験プログラムの発表
UMLは国際的なソフトウェア・ビジネスの展開に不可欠な技術ですが、そのためには技能レベルの世界基準での認定が重要な意味を持ちます。OMGと日本のUML教育研究所との共同で、4月16日「OMG認定UML技術者資格試験プログラム」についての記者発表が行われ、11月から英語および日本語で、国際的な資格試験が開始されることが明らかにされました。
http://www.umlcert.org/news/news0416.pdf
- モデル中心型エンジニアリング協会設立に向けた公開討論
海外のITカンファレンスでは、"Birds of a Feather"と呼ばれる、同じ問題意識をもった技術者によるミーティングがよく開かれます。今回は、モデル中心型エンジニアリング協会(仮称)の設立のための公開討論が行われました。これには、クリス・コブリン、アラン・ケネディ、ボブ・キャラジックといった海外スピーカーも参加し、日本語もまじえながら、協会の活動への協力と国際的展開への期待を話されました。
http://www.otij.org/release/20030414/#03
- UMLの国際的展開
総じて、ITといえば米国中心という印象が強いのですが、UMLの世界は完全にグローバルになっており、基調講演者にはスイス人がいましたし、講演者は数ヵ国にまたがっていました。オープンソースのArgoUMLへの貢献で知られる、ロシアのノボソフト社からの参加も記憶に残ることでした。来年は、日本より進んでいるともいわれる、中国や韓国からも招請したいと思います。
今回のUML Forum/Tokyoに対する感想、注文、ご意見などは、下記にお寄せください。
event@otij.org
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