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OMG Technical Meeting 情報
サンディエゴTCミーティング( 2007年3月26日 - 30日 ) 見どころ-(2)
: 金融 (FDTF)とBPM (BM&I DTF)
1. FDTF:金融サービス標準の動向とサンディエゴTCの焦点 金融タスクフォース(FDTF)は、製造業(ManTIS) TFなどとともに、OMGの産業別標準化チームの中でも最も長い歴史を持っています。これまでにも、総勘定元帳(GL)や売掛/買掛(AR/AP)に関するファシリティを採択し、手堅い業績を残してきました。近年では、電子決済関連標準を中心に活動を活発化させています。その理由は、UMLがISOの決済標準(ISO 20022=UNIFI)に採用され、さらに国際決済機構SWIFTの標準や、UN/CEFACT(貿易簡易化と電子ビジネスのための国連センター)の標準に採用され、金融標準の世界でモデル駆動への動きが加速化されてきたことにあると思われます。 決済の標準は、それこそ山のようにあり、もちろん一本化されることは考えられません。ここでもOMG標準の役割は、屋上屋を重ねることではなく、標準と標準の間の変換を最小限のロスと最大限の容易さで可能とするメタモデルを定義し、様々な標準と実装への自動的なマッピングを実現することであるといえます。 若干技術的な補足をしますと、金融の世界の標準はインターネット時代に入って以来、XMLベースで書かれてきたわけですが、UMLを使ってXMLスキーマをモデル化し、逆にUMLモデルから自動的にXMLスキーマを導出するという双方向の関係が、OMGのXMI (XML Metadata Interchange)標準によって確立されると、ビジネスレベルでの標準の開発と管理にUMLを使うのが一種のデファクトとなりました。UMLを使えば、業務専門家も標準を定義することができ、またそこから独自のプロセスやデータモデルを開発することもできるからです。 現在のFDTFの共同議長を務めるVISAインターナショナルのジョー・ブガイスキーは、VISAで使用する決済モデルの標準化を使命としてOMGに参加していますが、FDTFの主役は金融サービス企業、SWIFT、金融IT専門企業となっています。大手金融サービスは、これまで独自の標準、独自の実装を開発・維持し、トレーニングやサポートまで独自に行ってきました。かつては参入障壁となってきた独自仕様も、ボーダレス時代に残った旧時代の残骸のようなものとなり、高コストとともにユーザーを悩ませていることは周知の通りです。モデルベースの金融標準は、こうしてビジネスの機動性を低コストで実現しつつ、なお独自の金融サービスモデルを可能とする標準をコンセンサスで実現しようというものになっているわけです。 FDTFのサンディエゴ・ミーティングでは、下記(*1)のうち1)と2)の修正提案が討議に付され、3)の発行がなされる予定です。また、4)のRFI(情報収集)が提議されています。1)と2)、3)と4)はそれぞれペアになっており、前者はUNIFIを介してのVISAとSWIFTのマッピングが主に意識されています。提案企業は5社で、VISA、FireStarソフトウェア、IBM、IPコマース、アイテムフィールドです。3月5日に提案されたばかりの「決済メッセージ変換モデル」は、OMGのサーバから入手可能です(会員限定)。
金融サービスのビジネスプロセスを提議する後の2つは、基本的に“金融SOA”を意識したBPMモデルです。SAPのデイヴィッド・フランケルらがRFPを書いたことから、SAPの戦略的意図が感じられます。金融SOA/BPMは、次世代の金融サービスの開発を容易にし、また企業のビジネスモデルにも大きな影響を与える可能性があります。対象となるビジネスプロセスの範囲、モデルの粒度などをどのように定義するのか、SAPサポート製品にどのように実装されてくるのかなど、非常に興味深いものがあります。今回の会議での議論の方向に注目です。
2. BMI DTF ビジネスモデリング&インテグレーション(BM&I) DTFは、1994年設立ののBusiness Objetcs TFを前身とし、MDAのもとでBEI DTFとして再発足、2005年には合併したBPMI.orgを迎えて現在の名称となるなど、じつに数奇な運命を経験しています。それもこれもビジネスとIT、ツールベンダーとコンサルタントの間で、難しいバランスをとらねばならない位置関係によるものでしょう。OMGのビジネス関連標準については下記(*2)を参照。 さて、今回のミーティングの焦点は、何といっても、数年越しとなったBusiness Process Definition Metamodel (BPDM)の修正提案でしょう。3月5日に提案されたこの案で決着をつけるかどうかが、今回決まります。EDSやMEGAインターナショナル、ボーランド、ユニシスなど8社が共同提案しています。BPDMは、ビジネスモデル表記法およびBPELなどの実行言語の間の相互変換を可能とするためのメタモデルで、SOAにおける最重要標準の一つと言っても過言ではないでしょう。BPMNとUMLとの連携も取りやすくなり、ビジネスモデリングの普及を促すものであること間違いありません。同じく、Production Rules Representation (PRR)の修正提案についても、採決に持ち込めるかどうかが決まります。 ボーランド社から提起された、Business Process Maturity Model (BPMM)のRFCに関する採決も注目されます。これはCMMIのBPM版という性格を持ち(事実、CMMの開発者が推進しています)、BPMチームの成熟度を6段階で評価する手法で、OMGとしては最初の“純ビジネス的標準”となります。BPMベンダーの強い支持を得ていることから、採択が確実視されています。当初は、非技術的領域への進出に懐疑的な意見もあったことを考えれば、OMGも変わったものだ、というのが率直な感想となります。このBPMMについては、いずれきちんとご紹介したいと思います。そのほか、Business Process Runtime Interfaces (BPRI)の、修正提案に至る作業状況の確認とスケジュールの決定が行われる予定です。 OMGのTCにおいては、基本的問題についてのコンセンサスを形成するため、代表的なアーキテクトの技術プレゼンテーションと議論が行われ、それが大きな魅力となっています。今回は、ビジネスルールとビジネスプロセスの関係について、後者の世界的リーダーで、Business Rules Groupなどで活躍する英国のドナルド・チェイピン(Donald Chapin、ビジネスセマンティクス社)が行う発表が聞きものでしょう。
BPMとBRMの関係については、前者を中心に置き、BRMを“BPMスイート”、つまり続き部屋として考えるのが一般的ですが、プロセスをいじらなくてもよい業務については、必ずしもBPMを本体と見なくてもよいという考え方もあります。これは「ビジネスルール」をどのようなものと考えるのか、というより本質的な問題にも直結します。つまり、プロセスに依存し、単純に自動化すべき業務規則と、プロセスから自立しうる高度なナレッジやインテリジェンスとの間の領域が広大にあるということです。この議論は重要だと思います。(鎌田 博樹)◇ 註 (*2) OMGのビジネス関係標準仕様
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TCミーティング(サンディエゴ) レポート |
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